保護色で暮らす

地味目な社会人の日常 ー食と旅ー

雨宮まみ考

雨宮まみの突然の訃報に驚いている。

昨日知った。

大和書房によってその死が公表されたのは11月17日のことだったが、ちょうどその日から海外旅行に行っていたため、情報を得るのが遅くなってしまった。

 

雨宮まみの存在を知ったのは、わりと最近のこと。

女性でありながらAVライターであるという肩書きに、面白い人がいるんだなあと思った。

だから、手帳に

 

雨宮まみ

 

とメモをした。

手帳を開くたびにその名前が目に入ったが、とりあえずwikipediaで検索してみただけだった。

それから1年ほどたったのだろうか。

つい先日、図書館の『返却された図書コーナー』に『だって、女子だもん!!』が置いてあるのを見つけた。

ああ、手帳に書いたあのひとの本だ。

すぐに借りてきて読んだ。そして、雨宮まみという人に夢中になった。

 

雨宮まみtwitterを頻繁に使っているようだったので、その情報をフォローしたくて、今まで手を出したことがなかったtwitterのアカウントを作った。

こうしてフォローするようになった雨宮まみのツイートから『夫のちんぽが入らない』というユニークな題名の小説の存在を知った。ネット上で試し読みをしたら、心を鷲掴みにされた。来年の発売日がただただ待ち遠しいと思い、こんなふうに発売日を指折り数えて待つ本なんて初めてかもしれない、とも思った。

こんな小説に、そしてこんな文章を書くこだまという作家に出会えたことがもう本当に嬉しかった。

そんな素敵なきっかけを私に与えてくれた人は本の発売日を待たずに亡くなってしまった。

 

『だって、女子だもん!!』しか読んでいない私はただのにわかファンで、雨宮まみのことをよく知らない。けれども、ここ最近の私の心には常に彼女の言葉が寄り添っていたように思う。そんな言葉について自分なりにぼんやり考えながら歩いた道が今日はなんだかよそよそしく感じた。本当につい最近のことだったよなあ、あれ。仕事帰りの電車の中で本を読んで、バスを待つバス停で自分の過去と未来について考えていたんだ。

 

twitterだってつい最近まで更新してたのになあ。毎日、仕事から帰ってきてチェックするのが楽しみだったのに。

雨宮まみのショートボブが私の好みだったから、次に美容院に行くときは写真を持って行って「こんな風に切ってください」って言おうと決めていたのに。

こんなふうに思うくらいには雨宮まみのことが大好きだった。